黎明/嘉村奈緒
 


 
何かにすがりたいし
君に逢いに行きたい
これ以上ないくらい丸まって眠って
透き通ったものと
いい匂いのするものと
温かいものを少しずつくっつけたりして
昏鐘が呪文のように聞こえるから
きっとうまくいく
夜だって出し抜けるよ

例えば輝かしい純情に打ちぬかれたり
女の子が柔らかすぎて困ることなどないのだから
安心して日を過ごす
ときどき祈ったりもする
圧倒的なハッピーエンドや
真っ直ぐに進むことは
たまにじゃなくて
いつだって怖い
ぐるりと呑みこまれないように
指を折って光を数える
夜に眠る

浮ついたままでいると
輪郭がぼやけてしまう

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