行列/あすくれかおす
 
を上下させてみる
まだ拍をとることができる
まだ縦書きができる
文字が窓に映るのは冬だけであるが
同じようなことを別の時節にも考えるのではと
見えざるままでも文字のない
大部屋の窓をときどき見てしまう


ペンシルロケットを分解しながら
公園のベンチで怠けている
ぜんぜん空しくなくて
涼しくて好き
だけど何の
素晴らしさも変哲もない
もぞもぞとカレーライスを食べている
ああそういえばごめんよ
6月の雨をぜんぶ使いはたいちまったんだ
雨の代わりに海を降らすけど
なめるな
塩っけのある世界中の
血のプレッシャーが高まる
ざわつくのは
過ぎ去ったもののためで
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