「深呼吸する」/ベンジャミン
ぼくのこころはちいさいから
ささいなことですぐにいっぱいになる
いっぱいになったこころでは
ほかのささいなことをかんじられない
だからぼくは深呼吸をする
いっぱいにすいこんだくうきにまぜて
ささいなことのいくつかをはく
そうするとまたささいなことが
ぼくをいっぱいにしてしまうから
いちにちになんども深呼吸をする
ときどきやりすぎてしまって
かおがあおくなってしまうくらいだけど
ささいなことをかんじられないより
ちょっとぐあいがわるいほうがいい
息をしてるってことは生きてるってこと
あしたもあさってもいつでも
ぼくはきっと深呼吸をしているよ
ささいなことをすいこんで
ささいなことをはきだして
そして
それでもこころのなかに
のこったものがたいせつだって
なんとなく知っているから
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