誰が豚かを決めるのは俺だ/花形新次
ゲンクウボ…アットマーク…ドスコイ…。」
男はアドレスを声に出して読んだ。
「俺は行かなければならない。そうだ、まだ俺が誰か言ってなかったな。
俺の名前は茗荷谷博士。じゃあな、あとは頼んだぞ。」
彼は男にそう告げると、寂しそうに背を向け、玄関に向かって歩き出した。
男は彼の背中に向かってはき捨てるように言った。
「アホかオマエ!誰がやるか。このイカレポンチが!」
「そりゃそうだよね〜。」彼は振り返って笑顔で手を振った。
そして持参したカセットレコーダーのプレイボタンを押して曲を流しながら、
警官の待つ外へ出て行った。
♪シュプレヒコールの波
通り過ぎてい
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