服部 剛第二詩集『Famila』/渡 ひろこ
 
服部剛氏の第二詩集となる『Familia』を開くと、そこには温かな潮流が静かに流れていた。

服部剛という詩人は日常の何気ない風景の中から、その温かな視線で拾いあげてくるアングルが、
マザーテレサのごとく慈悲深く万人への愛を映し出している。
普段なら通り過ぎてしまう景色を切り取って言葉にできるというのは、
老人介護の職に就いている服部氏ならではの優しい人柄も、
その一端を担っているのだろう。

  隣に座る/野球帽にジャージ姿のおじさんが/じぃ〜っとこちらを見るので/
  僕は少し眉をしかめた
            (中略)

  手にした白いステッキを頼りに/とんとんた
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