祝婚歌/rabbitfighter
べての雨粒を
君の心の海に注げ
その海からまた新しい物語が立ち昇るだろう
暖かい日々の物語が
明るい日々の物語が
穏やかな日々の
寒々とした日々の
君の歩む
すべての日々の
物語が君に降り注ぐだろう
そしてそれは
君の物語でもある
そしてそれは
僕の物語でもある
それからもちろん
僕たちの物語でもある
なぜなら雨は
すべての人の上に降り注ぐからだ
なぜなら雨は
すべての人の心に降り注ぐからだ
物語はきっと
誰の心の中にもあって
いつか語られる時を待っているのだろう
その物語を
僕たちは未来と呼び
僕たちは希望と呼び
僕たちは悲しみと呼び
僕たちは痛みと呼び
あらゆる名前で呼び
あるいは名前を持たないまま
混ざり合い溶け合って
また僕たちはそれをただ物語と呼び
やがて雨が物語るのを聞くだろう
雨よ
世界が干からびてしまわないように
いつまでも降り注げ
そして君は
日々降り注ぐ雨に
その耳を澄ませ
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