淋しさ/新守山ダダマ
部屋で一人でいるときのわたしは
本当のわたしじゃない
人と話しているときのわたしが
本当のわたしだ
そういうことにしてくれませんか?
用もないのに人に電話をかけたり
無理矢理人と会う用事を作るのは
「わたし自身」が怖いから
「誰にも言えない本心」を持っているのがつらくて
誰にも見られたくないものが多すぎて
わたしはわたしから逃げ出して
誰かの視覚や聴覚にかくまってもらう
そこでわたしは誠実に
嘘をつき、隠しごとをするのです
どうかこれを真実ということにして下さい
わたしは切実です
お願いです
そんなお願いは誰にもできないけれど
心が少し、軽くなった
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