ファンタスマゴリアル/鈴木まみどり
私はたぶん食傷ぎみなのです
こんなにも脳が重たいから
捨て置いてゆきたい
油断していたら
影がばくり、と本体を食べました
それは夜のバスに映る街の光のように
歪んだ影!
私の手は機能を肥大化させ
とうとう独立をするという始末
ファ、ン、
楽しいでしょう!
泣けるでしょう!
ほら
気持ちいいでしょう!
撫でることがイコール
クリックすることならば
愛撫は高速の光の点滅である
タスマゴリ、
タスマゴリ?
目の前の光る池に
おいしそうに肉が焼けているのが映り
耳には確かにそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)