くちびる/アンテ
 
いな
ピンクいろのくちびるが
こまったようすで
くちびるにゆびをあてがうときも
ちょっぴりすねるときも
モモのなまえをよぶときも

ねてもさめても
めにやきついてきえないの

あのとき
ほうかごにりかしつによびだしたときも
たすけておねがいだからゆるして
ないてすがるヒロコちゃんの
くちびるは
うっとりするようなピンクいろだったわ
したくちびる
がさいしょ
それから
うわくちびる
しんちょうにきりとって
モモのみにくいくちびるととりかえたわ
かがみのなかには
ゆめのような
うつくしいモモがうつっていたわ

しあわせな
みっかかんだった


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