lit/竜門勇気
 
声を思い出した。

『俺は俺を殺して見てえんだよ。死んだ俺を見てみてえんだよ!』

六人の俺たちは身動きすら取れず、死んだ俺を凝視しながらその言葉をかみしめていた。


そうだ。

俺たちがずっと抱えていた感情の正体。そのベールは霧が晴れるように消えていった。
一人ってやつはどんな気分なんだろう。
どこにも俺と同じやつがいない気分ってのは・・・。
”俺”は俺以外の俺が居ない世界を想像して射精しかけてニヤリと笑んでしまった。俺たちは同じ気持ちに違いない。笑みを交わして決心がつく。

『俺は俺を殺して見てえんだよ。死んだ俺を見てみてえんだよ!』

いつまで経っても自分の幻想にすがり付いていてはいけない。
救いようが無いだろう?
俺は奴等を上手く片付けたようだ。













覚えていないのがその証拠さ。
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