続・素顔同盟/不可思議/wonderboy
 
 俺は社会人になってからも、PSPよりもワンセグケータイよりも
優れものであるこの仮面を肌身離さず持ち歩いている。
今日も懐に仮面を忍ばせていつなんどきも笑顔を作れるようにしている。

そんな日のある昼休みのことだ

ブサイクな同期の女が向こうからやってくる。
 髪の毛はつやがなく縮れ、目はきれいな一重まぶたで、鼻は上を向き、口元はカエルのようにだらしなく、いつも全世界の不幸を一人で抱え込んでいるような顔をしている。
 たまには微笑みかけてやろうと思って微笑みかけたらシカトされた。
 あいつは素顔同盟の一員じゃあないのか、なんて冗談を同僚と言い合う。

 *

「ワンダー
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