走る 金の獅子/瀬戸内海
 

まるで空気のような 猫

すすで身体中を真っ黒にした猫の目は
涙 涙で腫れ上がり
きらきら輝く雫の下はしっとりと 白い色
誰も見たことのない 白い色
嫌われものの猫のもとへと

そして 飛び降りた 金の獅子
黒い雲にも負けず 槍のような雨にも負けず
飛び降りたイーハトーブ
叩くのは 事務所の扉
神鳴とともに吼える 金の獅子
「ええい、やめてしまえ!」

こうして事務所は廃止になりました。
ぼくは半分獅子に同感です。



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