オウムの歌/伏樹
死んではいないのだね
そんな囁きが体中を循環している
いつからか
私の胸にオウムが居座っていました
住ませてあげているのか
住んでもらっているのか
もうよく分からないけれど
生きている時は
いつもオウムは静かでした
悲しくなって
死にたくなった時だけ
オウムはいつも鳴きわめいていた気がします
「死んではいないのだよ、それでも死んではいないのだよ」
何度も
なんども同じことが繰り返されていて
体の中で
こころの中で
『オウムは頑丈な鳥かごの中に住んでいるけど
可哀相だと思ってはいけません
鳥かごを開けたら
それは罪です
それが聖人の教えな
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