足音/フクスケ
 
祭りが終わっても
参道の石畳には
終電に乗遅れて
ざわついた足音が
見えない檻の中に
取り残されている
祭りの終りの合図を
聞きそびれて
数え切れない
視線の集合が
中空をさ迷い
日付が明日に
変わる頃
鳥居の朱は
一層濃くなる

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