早春賦 -spring ephemeral-/悠祈
 
はつかみる
ほころびさける
言の葉の
うらがれとはず
あをきをいのらむ

I could never be what you need
(譬え、始まりを告げたとしても)

たまゆらの
あはれつらねし
哥草の
ゆめゆめひらきて
やみにもかほれり

You could never be what I need
(譬え、終わりを告げたとしても)

髪すぐる、
 問わず語りの風もがり
鮮やぐ呪色、
 夢のまにまに重なる心
醒めやらぬ、
 一夜の契りにならざるや

 あらゆる色が、塗り潰されて
 あらゆる音が、掻き消され
 あらゆる心が、剥がれ落ちるのを
 見つめていた、あの時も、あの時も

衿ほぐす、
 木の芽の雨にほだされて
鮮やぐ呪色、
 愛のまにまに重ねる心
褪めやらぬ、
 一世の契りにならざるや

 あらゆる色が、塗り潰されて
 あらゆる音が、掻き消されても
 あらゆる心に、ちいさな光が宿るのを
 感じるままに、信じるままに、いつまでも







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