短い夏の終わり/こめ
 

黒髪の少女は

無邪気に笑いながら

舞い狂う

輪郭を掴めずに描いた

彼岸花の模写は

どこか切なく

みている物を飲み込むようないきよいだった

千切れて行った飛行機雲は小さくなり

そのすきまから見えた僅かな青空は

いつもより倍きれいだった

夜空の下で小さく

短い命を精一杯の輝きでさく

線香花火を見ていては

短い夏の終わりを感じた
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