目を閉じる/木葉 揺
 
退廃的に胸は動いて
物語に首を絞められる

どこにもない物語の
粘膜が私をのんで
溶かそうとするから

       (まだ見たいものがあるのか)

つまらない人間として咲いている
私の映像が確かに顔を覆っている
首の痛みにひれ伏す瞬間にも
親しい人の呼び声をつかみ
目を閉じる


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