とりのこされる、せかいで/たりぽん(大理 奔)
眠れないまま過ぎてゆく
夜明けとともに
境界線の不在を知る
そのために
昼を住処としたわたしは
眠らない深海のさかな
見えないものは無いわけじゃない
何度もなんども、ただ気付く
深くふかく、満たされたゆえの
沼に立ち尽くす鷺の目
待ち続けるパーキングメーターの瞳
夜を住処とする
怯えた野犬の視線
不確かな境界の日々
ただ、越えてゆくという
それが生きていく事とも知らず
私は生まれてきた
吹かれる枯野のように
揺れてゆくのでしょう
獲物を狙う猛禽のように
緩やかなそらを描きながら
ほのかな燐光
満たされた世界の不自由と
八等星の明るさを
あいまいなまま求める
ひとり、漂うことで
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