バレンシアの風/遊佐
 
軽く鼻先で笑い飛ばして行く姿に
僕は期待しているのさ

海を航れ、何時の日にか
君に相応しい夢は
もっと遠くに在る

イカの刺し身や天婦羅、
鰹茶漬けや造りの味は、
胸の奥にそっと仕舞い込んで

パエーリアやスフレ
シシカバブーやミートローフの似合うオンナになって欲しいよ、と。


イマージュを切り裂いて
掌の上で地球を転がすように
鮮やかに
颯爽と
いつも白い風景画の真ん中で

バレンシアの6月の風を抱いて
いつも笑っていられる人生を


此処で
そっと願いながら…。


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