無縁/プテラノドン
 
すことがあっても
 決して鍵を閉めることはなかった。僕らが行き着く先は、
 ゲームセンターのピンボールの前で、ハイスコアの景品として手にした
 安っぽい下着を―彼女たちが受け取ろうが受け取らまいが関係なしに
 握りしめたまま、ストリップ劇場の暗がりの中で
 スポットライトとともに登場する彼女の
 出番を待っていた。

「自らの内なる子供を愛し、彼から離れようとしないこと。」と、
ヒュー・ヘフナーはインタビュアーからの成功の秘訣の問いかけに答えた。
僕の指先にある熱気は離れようとはしない。数々の悪行を嫌悪しながらも。
いっそ冷めなければいい。夢から覚めてしまったとしても。実際、そんなふうに
現実を体験する。鍵穴に問いかけるように、ゆっくりと正確に、
相手の機嫌を損ねまいと、其処に居る住人たちを起こすまいと
ドアノブを回すことになるとは。
けどこれって、
泥棒みたいで楽しいね。


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