偽善者は結局僕だった/こめ
 
僕ら互いに理解できず

すりきった体は

紅く染まっていたよ

わからないから手を離す

分かりあいたいから手をつかむ

僕はどこにいる?

さぁどこだ

今いる過去の渦のなか

さっきいた未来の幻影のなか

今いくよどこまでもあきたりない

己のが気が向くまま

天使がくれた羽根はもう

錆びて動かなくなっていた

知らないことが罪になるのなら

僕はなにもしらないことにしよう

すれちがう人波の中で

大切な物を盗まれてしまったよ

今逞しく気高くそれでも絶対的な強者は

愛を知らないまま

流れ星になって消えていった
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