歩み×歩み=靴の片方 副題としてのXの代入方程式/秋也
いかようにも掲げた旗は
マンモス柄よろしく
毛づくろいをハジメ
祝河に
賛賀に
哀構えては
喜びと諭す
猫の欠伸
薄い唇は歌舞伎のようで
ヨー、世、良いと
一区切りに
ニャーと鳴く
憐れ久しきかなと
怖気づけば
捕鯨船が一斉に切り落され
ペイント弾が炸裂したもう永久
絡みつく厚い唇
仁義無しとて
いたずらに
エロ獲ろしくも奉る
神、風、舌、下
やや、ヤヤ子
舌からませば
都の下に城壁が埋もれるとの
噂は76日目に入り
薄れゆくも残りつつ
明日や幾年後の朝靄のごとし
母
味噌汁つくりては
大根を健忘し
いつもいつも
父
揚げを四角に刻む
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)