夜の四隅のために書いた詩/瑠王
 
笑っているのが好きだった。同じことを考えているのが手に取るようにわかるから。

きっと僕らにはその距離がちょうどよかった。だけど僕らは互いに一歩踏み出した。一度始まればもう止まることはなかった。

僕らが目をあわせるのはいつも、出逢った時とさよならの時にだけ。

それが哀しくて、僕は目を見るのをやめた。


僕の瞳の奥に、君は不在のまま。
あの頃と何も変わらずに、僕は君の目を見ることなく。ただ星に向かって石を投げる僕の横には、君の置いていった不在着信。


肩ごしのさよなら逹も、声になることなかった言葉も、この詩でさえ、夜の四隅にぶら下がったまま。



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