ロンダの青い空/うめぜき
 
ンダの涙が
空気中で雪に変わりアダレの街に積もる
石畳の路で黒い警察官の手に落ち
パン屋の赤い屋根は少しずつ白く染まっていく
路上に停車している青い古びたクラシックカーにも
その傍、レコードの聞こえる窓辺から
子供たちが空を覗き込んでいるのだった

その夢では
ロンダは走り続け、いつか星座になるのだった
ロンダは星々を飛び石のようにして
ピョンピョンと跳ね
そのたびに星は崩れ
流星群のように世界中に散らばっていく

 ※

ロンダは泣きながら起きる
いつものことだ
さみしくて さみしくて
ロンダは屋根に上り、エントツに腰を掛け
歌を歌う

アダレの街に
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