花/ヤオハチ
片鱗を
失くした 記憶に近い
きおくとよぶと とおざかる
わたくし自身は そうで在りたいとは
どうしても思えずに隣の席を空けたまま
座ったきれいな女の人は
チョコをおいしそうに食べた
地球の裏側の匂いがするとか はしゃいで
動く気配はなく
もう一度見たら やはり きれいで
閉店を越えてもそこに居て
彼女はただの茜になって
右耳のピアスの他にも
なんでも買ってあげられたらと思い
プロポーズしたのです
あなたの欲しいものは・・・
コンセプトが透けないうちに
すべては引き継いで行くつもり
やがては ともだちになる ともだちたちと
きれいなもののためならどこにでも行けた
お金に価値が残されているとして
ここがアジアだとしても
すべては過去形になっていくから
カフェボウルの中の
一人分の幸せを
想って
その次に朝を想う
一人分の責任で 好きな人と居た日々を
二人目からは果てしない
世界とは かけがえなど ないものです
女は花だと云うけど
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