階段のこと/渡邉建志
夜明け。雨が降っていて僕らは神社で雨宿りしていた。徹夜明けの僕らは相手の膝で交互に眠った。三島はここで死んだね、君が寝ている間、君の短い髪をかきあげながら、あじさいの花が揺れるのを見ていた。
昇ってきたとき乾いていた急な階段はいまや滝そのものになって、傘を差すと危ないので、びしょびしょで滝を下っていった。下から見上げるとまるで水の絶壁で、よく無事に下りてこれたよね、とびっくりして言った。びしょびしょのままでモスバーガーが開くのを待ち、びしょびしょで入ってモスバーガーを食べた。
雨がやんだ。電車が走り出した。
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