黒い雨 街の光/anne
僕らの隣を
名もしらぬたくさんのひとが通り過ぎて行く
それは止まらない流れのように
街は 黒い雨にぬれて
僕らは色とりどりの傘の中で
黒くぬれて
通り過ぎて行くひとたちは
僕らの足下に転がるひかりにも気付かずに
そう 街は黒い雨の中で
ひかりあふれて
見向きもされぬひかりにあふれて
僕らは足下のひかりを見下ろして
ただ黒くぬれて
触れれば僕らのことを傷つけ
また落ちていくひかり
紅い血がこぼれて
ひかりの中に落ちていった
僕らは黒い雨の降るこの街で
ただぬれながら
黙って
だれも傷つけない ひかりを求めて
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