葬送/
ゆびのおと
金色に淡く ひかる
ひかりくらげのような あのひとは
あおむけに 漂いながら 沖へ沖へと流れてゆく
静まりかえった 暗い 藍色の海
黒い小舟にのり 船出するのは 私
古びた 三階だての小さな船にのり
カンテラの白い灯りが
ぼうっと 波頭を照らす
別界へと旅立つあのひとを見送るために
あのひとと 最後の別れをかわすために
波打ち際に 5つの石を並べ
生と死の間に 身をのりだして
気も遠くなりそうなほど
長い孤独の その青白い炎に焼かれながら
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