きみは香り/小川 葉
 
 
 
シロツメクサの
香りがすると
きみがいる

藤の花の
香りがすると
やはりそこにも
きみがいる

帰り道だった

沈む夕日が眩しくて
見えはしない
香りだけのきみに
僕はさよならを
告げるだけ

まだ知り合えても
いないのに
なぜだか懐かしい
きみは香り
 
 
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