甘い香り/吉岡ペペロ
 
五月の夜の石畳に

月の色のような店の明かりが

ぼくはひとりで歩いている

ツツジの緑の甘い息を

幸福でも嗅ぐように聴いている


あれはどこだったか

手をつないで歩いていても

見えなかったあれは

あれはどこだったんだろう


五月の夜の石畳に

月の色のような店の明かりが

ぼくはひとりで歩いている

ツツジの緑の甘い息を

幸福でも嗅ぐように聴いている
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