「旋律」/ベンジャミン
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて
おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
いきがながれるだけだったら
やっぱりはずかしい
フルートはきれい
ぎんいろ
それがきれいというよりも
りょうてのゆびでささえるだけの
こころもとないそんざいが
きれいだとおもった
おと
おとをださなくても
フルートのねいろはしっている
しっているねいろと
ぼくがかなでるねいろがちがったら
どうしようかとおもって
くちびるをあてても
い
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)