「旋律」/ベンジャミン
 
ゆびさきで
おそるおそるふれた
ぎんいろのフルートにうつる
じぶんがはずかしくて

おと
おとをかなでるなんて
ぼくにはできないだろうとおもった
くちびるをあてても
いきがながれるだけだったら
やっぱりはずかしい
フルートはきれい

ぎんいろ
それがきれいというよりも
りょうてのゆびでささえるだけの
こころもとないそんざいが
きれいだとおもった

おと
おとをださなくても
フルートのねいろはしっている
しっているねいろと
ぼくがかなでるねいろがちがったら
どうしようかとおもって
くちびるをあてても

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