銀羽/
木立 悟
がて 黒になるでしょう
やがて 鬼になるでしょう
硝子の昼に落ちる夜
蜘蛛が繰る花
水糸をひき
獲物は茎へ茎へと逃れ
白い花火がつづきつづいて
腰から下は見えなくなり
夜はすっかり夜になり
呼ぶ声の色ににじみしたたる
銀の棘をついばむ鳥
銀の樹を抱き 銀になり
水たまりの景を飲みながら
飢えた蜘蛛のためにうたう
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