求道者/影山影司
 
は後者であった。

 私は死に場所を探していた。
 エネルギイの切れた人間が生きる、というのはむなしい。
 私は、むなしさにさらに心身を蝕まれた。
 むなしいことは死ぬよりつらい。

 思考がまとまると、身一つでアトリエを飛び出した。幸い私は嫁も子もいない身分で、父母とは死別している。付き合いのあるニ、三の人間には近日中に連絡が行くように手配もしている。
 後は絶つだけであった。命を。
 歩きながら死にたかった。田舎の泥道を、街と街を結ぶ幹線道路を歩いた。街中を、家々の間を歩いた。日の下を歩いた。灯の下を歩いた。元々強く出来ていない私の体はたやすく痛んだ。脚、背はもとよりぶら下っ
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