蟻ん子の心音/Leaf
 
生きた心地よ
ドコイッタ



純真なる背徳には
阿修羅の如く
瑪瑙貫く強靭な動と
深紅の静で胚胎す


俺は背く
課せられた日々に背く


肉をちぎり
骨を断ち
辛酸を舐めた純真なる日々の果てに


俺は背く



準ぜよ
遵守せよ
倣えよ
それが社会というものよ



手の平はがさついた
足の皮が擦り剥けた
我が刄は刃零れ
我が絹は綻び
形あるものは全て満身創痍
躍動し消耗した



報われたかどうかなんて事を
疚しくも
卑しくも
浅ましくも
計る天秤の片側には
何を載せたがる?



何も望まぬ
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