止まり木のひと/恋月 ぴの
はあった
最後のお別れと掌を合わす眼差しに映える色鮮やかな青い羽根
何かの気まぐれだったからと見開くような気配を感じ
私たちの部屋に連れ戻したくなったけど
そそくさと荼毘にふされた亡骸
小鳥にしては大きく思えた頭蓋骨の穢れない白さと
色鮮やかな青い羽根の行方が気になった
またふたりだけとなってしまった心細さからなのか
筋肉質な二の腕に今更ながらの頼もしさを覚え
黒いベール越しに垣間見た初夏らしい空の彼方へ飛び去って行く
聞き覚えある小鳥の囀りを聴いた
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