フランチェスカ/瑠王
夜は静かだろう
なんて思うのは
私の耳がどんなに外に傾いているのかということ
胸のうちでは本当は、どれだけ沢山の働き蜂が、働き蟻たちが
せわしく流れていることだろう
私の子供達が地を蹴り鳴らす
鼓動はこの静かと言われる夜に
せめてこの部屋の窓にまで響いてくれるだろうか
私の呼吸さえ
月は飲み干していく
そして乾いたその白い表面に素顔を描く
鏡より正確に
なんて私の素顔を映してしまうのか
昼間では耐えきれぬ
なんて醜い素顔を
しかしながら、真実を飲み干そうとも
必ずしも叶わぬ事がある
私が望んでも、本当のクリスチャンになれないように
私の足跡は
決して消すことはできないのです
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