御手/琥霙ふうり
 
 
星と星の狭間を
人差し指で、なぞり
名前を生み出して
 
明日の何処かで
煌めく胎児達は
新しい呼吸法を習い
 
希望に満ちた
我が儘な産声を上げ
人差し指、から伝わる
愛を噛み締めるのかな
 
 
僕は今日、何処かで
死に絶えてしまい
 
僕は明日、此処で
生まれた事を思い出し
 
いつかの引き出しを開けたら
カタチのある何かに
涙を、こぼすだろう
 
 
手のひら、に 残る
シワを見て
 
僕はどんな生き方を
君はどんな生き方を、
してきたのか
 
指と指の狭間を
人差し指でなぞり
すこし、だけ
くすぐったいような
 
そんな、
 笑みを溢して
 

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