万華鏡の景色/
北星三天
まだ春だと言うのに
焼ける万華鏡の景色
溶けていく
まだ碧き獅子の
輪郭が弧を描いているのに
溶けていく
降り続ける時と
歯止めの無い
感情の抑揚を抱え
溶けてしまいそうです
ぽつんと置かれた
大地の景色に
薄れてしまいそうな
色に染められた
自分自身の影を
見失わないように
見失わないために
焼けるような
万華鏡の景色に
終わったしまう春に
僕自身で回して
回っていく景色を
記憶の鏡に映していきたい
そうして
僕は映して生きたい
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