ごめんなさい/AKiHiCo
 
幼き日の僕には小さな世界で
起きている出来事が当たり前だと
思っておりました

家族の団欒など妄想の域で
何所の家庭も寂しい食卓なのだと
思っておりました

自殺したいと 殺して欲しいと
呟いた唇は限界だったのでしょう
どうして気付けなかったのかと
未だに後悔の念に苛まれます

家族が避けるように為って
動かなくなる肢体を持て余し
脳は巻き戻され楽しき日々
その中で

心だけは確実に動いていて
孤独に焼かれていたのでしょうか

僕はまだ貴女が病に侵される以前
沢山優しくしてもらったと
謂うのに
思い出を沢山もらったと
謂うのに
それなのにです、
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