michi物語3/草野大悟
 
病院になんか行きたくなかったわ、1週間も。
三年半もいたのよ。それに、
まわりは、おばあちゃんやおじいちゃんばかりで
話あわないもの。
でもね、こうして帰ってくるとね、兄ちゃんがニコニコして
とってもうれしそうにしてるから、わたしね、わたし、病院行ってよかったなあとも思う。
兄ちゃんのリハビリだよね、わたしの1週間は。
きっとそうだよね。
ほら、そんなに日焼けして
魚釣り行ったでしょ。
わたしには、わかるんだ。
だって、海の匂いがするもの。
あのね、眠い。
あのね、このお饅頭もっと食べる。
お寿司おいしいな。
お薬いやだなあ、とっても苦いもの。
仕方ないよね。飲むよ、飲みます、だから、そんな哀しそうな顔しないで、兄ちゃん。
ね、わたしたち、ふたりでひとりよね。きっと、むか〜し、ひとつだったんだろうね、わたしたち・・・・・・・
ね・・・・・ふぁ〜・・・・なんだか・・・とっても・・・・ね・・・・・・む。。。。。い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

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