聖夜/佐々木妖精
とこえがほしくて、錆臭い爪でかいてしまう
俺達はきっと、獣として正しすぎるんだ(豚みてえに重い荷物担いで・熱湯みてえな酒浴びて・素肌に犬歯突き立てて・
獣臭さ。酒臭さ。満員電車に吊るされて、職場に着くとヤっちまう
(盗み・博打・殺し・性戦・
緊縛プレイの針葉樹よ。自分を綺麗だと思うか。
有史以来のされたがり。
むしられるだけむしられて、裸になったら殺される。
なんも言えねえデクノボー。
俺達はきっと、戦争が大好きだ
俺達か 俺はきっと、大好きだ(・きみが。
場所も相手も選べず
ただ世間とやらに揉まれ
揉まれる箇所も強度も選べず
揉まれ慣れてるわけもなく
痣だの癌だのこさえようと
揉まれちまったわけじゃない
気持ちいいから揉んでくれって言ってんだ
今日明日中に膝ついて
心から身体がズリ落ちようと
きみの根っこに触れてみたい
ゆれるおと 指の隙間を埋め 嗚呼。)
初出・「詩と思想」2009年5月号読者投稿作品
(改行等訂正)
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