「はるか」/ベンジャミン
風のはじまりは
海の青を透明にしてのぼってゆく
高く 高く 舞い上がった小さなものたちの
無邪気にかけおりてくる足音と
弄ばれる髪の乱れ
平らな大地に住む僕も
できることなら透明になってしまいたい
そして 高く 高く 舞い上がってみたい、そこから
見える景色が美しいと思えるほどの高さまで
たとえば宇宙から見た地球
想像することしかできないのではなく
想像することを許されているのだから
はるか はるか それは
僕ら みんな それぞれが
たとえば一つの希望を掲げて
歩き出す一歩から生まれる
大海の風より小さな
壮大なこころの中に吹く風
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