風見鶏の見つめる先/こめ
 
明日晴れるなら蜃気楼をみにいこう

僕がまっている何かはまだこず
降り頻る涙の雨を浴びて

脅えながらそれでもなお

コンクリートに覆われた部屋からでずにいた

きてはかえす

たんたんと時代はすぎる

その混乱と混沌に満ちた水槽のなかで

僕らは空を見上げることしかできなかったんだ

幼いころ独り取り残された公園で

凍てつく炎にをかたどりながら

バチバチと燃える火が今狼煙を挙げる

過去と未来

違う自分と裏切る心

重なるのはいつも唇だけ

キラビヤかに放つのは

プリズムの日光の反射

僕らは求め進化しつづけた

いくらもの犠牲を無視しつづけてきた

けれど今こそ気付くべき

僕らは愚かだったということを

今気付くべきだった

答えはいらないから

今の質問を忘れてくれよ

風がふくたびに風見鶏はまわっては

ただ一点を見つめていた

その見つめる先にはなにがあるのかは

僕らには到底理解できないものだった


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