遠い視界は白い花/蝶澤
花の名前をもらった少女は
未だ咲けずに居る
若く青白い身体は
誰にも触れられることなく
たわわな花弁のふくらみは
未だ誰も触れない
未熟なまま
腐ってしまいそうな
悪環境
集る蟲が
理由の解からぬまま
花を知らぬ振り
やっと蟲の役目を知った
後ろを振り返る
咲かない花は
無実の罪?
青い蕾の中身は
混沌・・。、・・・。
朽ちきれぬ残骸
永遠を永遠に夢見る孤独
蓄積する疑問
鮮やかな空想
何も貴方を
満たせない
太陽に焦がされず
強い雨も当たらず
誰にも愛でられず
このまま裂ける事も出来ぬのか
少女の蔦は暇を持て余すように
思いの丈のように
伸び続ける
まっすぐ
望むその日が
来るまで、来なくとも
ずっと暗闇から虹を覗いている
旋律に愛を込めて
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