漂白色/A道化
午後には、カーテンに漂白され、
白色に、夏の気はふれてゆく
目蓋で覆い尽くすも、白光する夏、白光する、午睡混じりの
夏
色など要らないと叫びたかった私は、
今は、誰
その誰かの、この手よ、
これ以上震えるならば、
その誰かは、水脈の余命千切ることを欲してしまう
その誰かの水脈は、余命千切られることを欲してしまう
落ちゆく花はみな赤く、落ち切れば音はもう確かめようもなく、
その赤も、漂白され最後には気がふれるように白色になること、
あ、明かされるときが来てしまう、あ、あ、知るときが来てしまう、
私は千切れへ欲の切ない結び目、その私が赤を明かしてしまえば、色は、
白
そう望んだ筈の私は、
今は、誰
その誰かの、この手が、
震える午後には、
午後には、カーテンに漂白され、
白色に、夏の気がふれてゆく
目蓋で覆い尽くせば白色は午睡に酷似し、
誰かの震える手は私に酷似し、
ところで私は、
今は、誰
2004.8.28.
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