ゆくえ めまい/木立 悟
 






誰か知らぬひとの手をとり
裏の暗がりの路をゆく
鳴りつづける何か
水たまりのつらなり


土の眠り
土の夢
影の家々
光の淵につもる雪


風が分かれる
緑の背
朝に 霧に
見つめられる


病のような灯が
岩を下る
在りつづける影
すぎる影に触れる


消され忘れ
永さを得る
霧のなかの
塵まとう背


途切れた時間を結びながら
常に流れる冬を見ている
片方の目
うなじなぞる銀


お手玉も手も
消えては現われ
消えては消える
唄だけが五つ そこに笑む


降る声越えて もどる波や色
浅い水に浮かぶ暗がり
つないだ手 つないだ手
蛾のように飛び去る






















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