海について/一ノ瀬 要
さがっている、
日焼けした、アーシュリー。
貝殻が、あっけらかんと、口を開けて。
すべての、くらがりに、擦れる。砂つぶ、
きっと、うらがえせば、ほこりまみれ、の繭
てのひら錆びて、ぼろぼろの、ゆめだ。
(そのなかでさえも)
おもいだすように、ひとつ。深い、呼吸を、ひとつ。
ただ、耳を澄まし、混じり気のない方法、を、ひとつ。
たそがれの、森。と、その上をとぶ鳥。一羽。たゆたい、の、旋回。
そのそば、にいる、かじかんだ手。を、ひたす
おもいだすように、ひとつ。深い、呼吸を、ひとつ。
(つむいだら、)
涯てもなく、雫のかがやき、いま、零れ落ちて。
その、水面を、なでるように、歩く。
(波の音が、つむいだら、言葉にならない、そのなかでさえもわたしの。しくみ。)
ひとしく、ひとつにまとまっていく
だから、
聞こえている
海、
について
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