抒 情 /るか
で
曇る。
わたしたちの 罪は、
そう云いかけた
きみの 唇を 奪う。
つみの 意味を 抱きながら、
ゆっくりと明けてゆく
朝の 町を 一緒に眺めよう
そこに きみが生きられる訳はあるか
わたしが 生きられる 訳は
忸怩たる 思いは
朝の 風に 委ねて
わたしたちは
ある
戦いのための 支度を する。
唇を 結び、
涙のために 戦おう、
明日の朝には
もう わたしはいないかも知れないから、
きみは
せめて
枯れた 一本の麦穂の匂いを
思いだして
くれたら
いい
戻る 編 削 Point(7)