拝啓 非カフカ氏/佐々宝砂
世界が私の選択次第で滅ぶとして
いやはや私がなにをしようと
いつか滅ぶことはきまってるんだが
世界とあなたとを天秤にかけたら
世界のほうがもちろん大切なはずである
まったく信頼おけないあほーであるところのあなたは
世界の一部に過ぎない
ところがいざというときに
私は世界ではなくて
あなたを選ぶつもりでいる
世界と「私」との闘いになったら
世界の方に応援せいと言った人もいたが
この際私は関係ねーのだ
関係あるのは
「あなた」と「世界」なのである
あなたと世界が闘うとしたら
誰がどうあっても
あなたがいかに
こんちくしょうと言いたくなるほど間違っていたとしても
世界とあなたとの闘いにおいて
私はあなたの味方をしよう
君と世界の戦いでは、世界に支援せよ(フランツ・カフカ)
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