ことば/こむ
 
言葉たちの創る 虚構の空間に

すがりつくように 何かを託して 

書いている


それでも

言葉の隙間 そして 端々から

漏れ落ちて行く いのちの経過を

おしとどめることは できず

言葉を失って 立ちつくす 瞬間 瞬間を

はるかな あちら側に向かって

ただ 見送るしかない


手が憶えている ぬくもり

目が憶えている かたち

耳が憶えている その声


言葉たちの創る 虚構の空間に

どうせ 入りきるわけはないが

せめても そこは 

うた で ありたい

さみしい と しても
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